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私のはじめてのフグとの出会いは、小学生の頃、板前である父が桐箱に入ったトラフグの身(今思えばこれが身欠きふぐ)を市場で購入し、家族用にと振る舞ってくれた時でした。

まだ幼かったため、シコシコとした味の薄い魚。というのが初めての印象でしたが、当時はバブルの末期、テレビでは豪華なてっさ(フグの刺身)の皿を芸能人が一気に平らげるシーンがとても多く、出演者の喜びに満ち溢れた表情、そしてテレビから聞こえる「羨ましい〜!」という叫び声・・・フグは他とは違う「特別な魚」なんだと感じていました。

その後もフグ免許を持たない父が「お客さんにフグを出したい。フグ免許に挑戦したい。」と何度も家族に話していたのを思い出します。

私の両親が営む居酒屋は、美味しい海鮮と珍しいお酒が自慢の和食居酒屋で、冬はあんこう鍋やすっぽん鍋を提供しています。
おかげさまでオープンして30年を超えており、地域の皆様に愛されるお店となることが出来ました。
それも父と母が「お客様に喜んで貰いたい!」をモットーに、様々な食材を低価格で美味しく提供してきたからです。
そんな店ですので、フグを店のメニューに追加し、お客様にもっと喜んでいただきたい。という思いが強かったのだと思います。

この度、東京都は「東京都ふぐ取扱規制条例」の一部を改正し、「身欠きふぐ」解禁に踏み切りました。既にフグ調理師により有毒部位を除去されたフグならば飲食店での取扱いが可能になったのです。

条例解禁の情報を私に教えてくれたのは、やはり父でした。
「東京ばかりズルイ!千葉でも条例改正してくれ!」
この一言から私のフグプロジェクトがスタートいたしました。

父のようにフグ免許をなかなか取得出来なかった飲食店経営者に向けて今回の条例改正をお知らせしたい!と活動をし、フグのことを調べているうちに私自身がどんどんフグの魅力に取り憑かれていきました。

食べて美味しく、
歴史や科学的な面から知って楽しい、

猛毒があるのにも関わらず、こんなにも愛されている魚が他にあるでしょうか?
フグ食はまさしく日本の食文化の代表と言えると思います。

そんなフグを食べる機会、知る機会にまだまだ日本人は恵まれていません。世界ふぐ協会はまずは日本の皆様にふぐの魅力を発信致します。そして最終的には世界中の方にフグの魅力を知っていただきたいと思います。

これからも多様な産地の皆様のご協力、多様な飲食店様のフグメニュー取扱い、そしてフグが大好きな方、反対に食べる機会の無かった方々のご賞味をお待ちしております。

最後に・・・私の親孝行プロジェクトでもあります「世界ふぐ協会」は、両親の居酒屋があります千葉県での身欠きフグ解禁を強く願っております。

2013.3.17
世界ふぐ協会会長わたなべゆか

© 世界ふぐ協会 Global Globefish Association 2012-2014